「早熟」を「天才」と呼ぶ事の危うさ


3月
02
3月
02
世界ではどうかわかりませんが、日本では何かにつけて人を「天才」と呼ぶ傾向にあるように思います。
特に子供達に対して早熟であったり、飲み込みが早いだけの子を簡単に「天才」と決めつけるのは如何なものか。個人的に思う、「天才」と呼ぶこと・決めつけることの危うさを綴らせていただきます。

久保くん、中井くんは素直に楽しみ

日本サッカー界の希望といえば、久保建英くんや中井卓大くんではないでしょうか?仮に彼らを天才と呼ぶ人がいたとして、僕はそこには現状はという前置き付きで一切の疑問は感じません。
16歳ながら、J3とはいえFC東京U-23でプロとして大人たち相手にプレーを続ける久保くん。
レアルのカンテラで今なお世界のトップの選手たちとのメンバー争いに、勝ち残っている中井くん。
10代半ばにして、年代や地域・国の枠組みを超えて活躍する彼らは日本人としてシンプルに楽しみであります。

しかし、上で「現状はという前置き付きで」と申し上げました。
それは、彼らがこのまま順調にステップアップしてくれれば間違いなく「天才」であると断言できます。
現状はJ3であったり、レアルのカンテラ(下部組織)であったり、まだまだ上のステージが存在します。
このまま、10代のうちにトップのカテゴリーまで上がり代表として世界を相手に活躍してくれて初めて「天才」であることを証明することになるのだと思います。

世界的に見ると不可能な話ではありません。
メッシがバルサでトップデビューを果たしたのが17歳。
ロナウドが94年W杯の優勝国ブラジル代表に選ばれたのが16歳。
日本だけ20代半ばで、若手と考えるのはいかがなものでしょうか?

清宮くんを「怪物」と呼ぶ違和感

上の例とは逆に、まだプロとしての歩みを始めたばかりの清宮くんを怪物ともてはやす風潮に違和感を感じます。
彼が今まで活躍してきた場は高校野球という、極東の島国ニッポンの高1〜高3というごくごく限られたカテゴリーです。
現に世界大会でも大活躍というわけではなかったように記憶しています。

高校野球界では怪物かもしれませんが、その怪物たちがひしめき合うのがプロ野球界ではないでしょうか?体格などから見ても彼は「怪物」ではなく「早熟」なのではないでしょうか?プロとしての質の高いウェイトトレーニングなどを始める前の今から90kg近くもあるそうですし。

メディアや僕が「怪物」だ「早熟」だと好き勝手ほざいても、それを証明するのは清宮くんです。僕は現状は早熟であってプロに入っての活躍は厳しいものがあるのではないかと思っています。実はプロ野球も好きな僕としては、「清宮くん疑ってごめん!君は怪物やった!」と謝らなければならない日が来て欲しいものです。

本田圭佑と家長昭博

僕の世代でも「日本を背負う」と言われた人たちはいました。
それは日本代表のエース本田圭佑。。。

ではなく、家長昭博選手と安田理大選手でした。
本田圭佑選手とは小学生の時に僕は試合をしてるのですが、全く記憶にありませんでした。
友人からその事実を聞いて、「あぁ、そういえば上手い人おったな!」と思い出した程度のインパクトでした。
上手かった印象はありますが、その程度の印象の人はザラにいましたし、もっとインパクトのある人も山ほどいました。

そんな中、家長昭博と安田理大の名前は常に出てきました。
多くの人が日本を背負うと断言していました。
もちろん代表にも選ばれましたし、プロとして活躍する素晴らしい選手達であることは間違えありませんが10代の頃に赤の他人に謎に約束されていた「日本を背負う」選手になってはないのではないかと思います。

この両名が進んだガンバ大阪ユースに選ばれず、星稜高校に進んだ本田選手が日本代表のエースになったわけです。
つまり、10代やそこらで能力が秀でていたくらいで未来は約束されてはいなくて、その先で数年で差など簡単にひっくり返るのは明らかな事実です。努力が才能を上回ると言っているわけではありません。才能は早くに開花する人と、晩年に開花する人がいるだけで、開花の早さで決めつけるのは多くの才能を見失ってしまう結果になります。

高校・大学が終わりではない

高校・大学卒業時に才能を見出され、スカウトされることがプロへのただ一つ道ではありません。

大器晩成型の有名な話として、イングランド代表のジェイミー・ヴァーディーは28歳で初めて代表に召集されました。
その5年前までは、23歳でなんとイングランドの7部リーグの所属です。
そこから年を追うごとに5部→3部と上がっていき、12年にプレミアに上がって15年には得点王争いを繰り広げる選手になるわけです。

日本でも先日、こんな話題を耳にしました。


こういう話題は僕は素晴らしいと思います。
今までこういう才能が、どれだけ見逃されてきたか。
地域リーグや下部リーグの活性化を図り、心持ち次第で社会人になってからもサッカーに打ち込める環境が整っていく事でこういった才能が一つでも多く拾われていく必要があると思います。
そうすれば、日本代表にもヴァーディーが現れる日が来るのではないでしょうか?

早熟=天才と見る危うさ

早熟を天才と決めつけ、将来を決定付けることは早熟の選手自身にとっても害でしかありません。
10代で持て囃され過ぎると優れた選手とはいえ、心は少年の部分も間違いなく存在する選手たちが天狗になってしまうのも無理はありません。

前述のような晩成型の選手の成長を見逃す、そういった選手が自身を才能のない選手と感じてしまう危険もあります。

早熟の選手には、今後ぶつかる壁を想定していざぶつかった時の対策を考える。
今までは試合の想定外の選手が、練習で伸びてきている部分を見逃さないように心がける。トレーニングマッチなどで起用してみて通用するかを見極め、開花するきっかけにならないか試していく。
そういった、全選手の開花の瞬間を見逃さないようにいる必要があるかと思います。

このブログの読者になる
ブログや動画の更新情報が受け取れます。ソシオ会員になるとさらにお得な情報盛りだくさん
 サイト購読

関連記事

この記事をご覧のアナタにオススメの動画

コメントを残す