トレセンという制度の成功事例と、共に語るべき落とし穴


10月
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先日、僕の吹田フェノメーノの選手が運よく三島トレセンの二次選考から参加させていただく事になりました。
これまで、ぼんやりと考えていたトレセンという制度が最早遠い世代の育成の話ではなく、我がの話なんだと実感させられました。

これまで数多くのトレセンの問題・不満は目にして耳にして来ましたが、同時に語るべき成功事例も間違いなくあるわけで、文句だけを言っていても今後の日本サッカーや、何より今まさにトレセンに挑戦しようとする世代の選手たちのためにはならないかと思うのです。

ワールドユース銀メダルの黄金世代

トレセンというものが、こうも日本の育成年代でステータス化されてしまったのは良くも悪くも稲本選手、小野選手と言ったいわゆる黄金世代がワールドユースで世界二位の好成績を納め多くの選手が世界で活躍したからではないかと思っています。

この世代の功績はトレセンという制度の大きな成功体験であることは間違い無いでしょう。そして、トレセン制度の立ち上げ初期のこの世代の活躍によって「トレセンに選ばれれば」という認識が急加速したのも間違い無いのでは無いでしょうか。下記の対談は、黄金世代筆頭の二人に吉原さんがインタビューする三者対談形式ですが、やはりこの会話からも当時の経験の貴重さやそれらによって順当に成長して来た軌跡なども軽くではありますが触れられています。

選考会で選ばれた存在という錯覚

トレセンにおいて、選考された選手・落ちた選手共に注意しないといけないのは、例えばうちの地域であれば三島トレセンに選ばれた選手は断じて「選ばれし者」ではなく、落ちた選手は同様に「才なき者」では無いということ。

吹田フェノメーノでも過去に対戦させていただいた選手中で、ウチの選手の一人が異常に「◯◯トレセンでやばい」と持ち上げ、その選手がボールを持つたびに色めき立っていましたが、僕からすれば確かに技術面で年代的に見れば秀でた物は持ち合わせた選手でしたが、一人でチームそのものを破壊する事は出来ず最終的にはなんとか潰せて、侵入しては来れないので怖さがまだまだ足り無い選手でした。

その選手を

「アカン!やばい!」

と持ち上げてしまうウチの選手にも、持ち上げられているその選手にも不安を感じます。
もちろん技術面でリスペクトはすれど、対戦する上でしっかり対処しないと危ない所と自分が勝負できる所を考えずに三島トレセンという”箔”に尻込みしていては成長する思考が停止してしまう。そして、冷静に見れば優れた足元の技術もまだまだサッカーの技術たり得ていない彼がこのままチーム内外から「ヤバイ」奴と持ち上げられ続けて、そう遠く無い将来「ヤバくはなかった」事に気付いた時にそこまでの彼の正解は崩れるわけで、今のこの段階で「お前の持ってるその宝物は、まだまだ武器にはなってないぞ」と伝えず「ヤバイ」と持ち上げた周りの責任はどうなるのか。

やはりトレセンで選ばれた選手に対して、特別扱いしてはならない。
トレセンなんてものは毎年選ばれるものであり、現段階ではまだまだ「有象無象」の一人であることを内外の人間が認識した上で、選ばれた選手はそこから抜け出す為に同じく選ばれた選手たちとのふれあいの中で試行錯誤し、落ちた選手は”足りないもの”と”負けないもの”を分析して計画的にどの段階で選ばれた選手を追い抜くかを考える事を徹底して全選手に伝える必要があるかと思います。
この段階での差は一年も経たずにひっくり返ります。

特別扱いは、才ある選手を潰す

自慢をさせてもらうと、僕はアマチュアのくせに多くのプロサッカー選手や元日本代表といった方々と交流を持たせていただいてきました。やはり、僕が叶えられなかった夢を叶えた人たちを前にするとミーハー心に火がつきこんな質問をしてしまいます。

「今まで出会った中でヤバかった選手は誰ですか?」

ロナウド、ジダン、トッティ(「アイツはそないやった」そうです。笑)など多くの選手が上がる中。
日本人でと言う前置きつきで、必ず上がってくるのが「財前」さんの名前。

中田選手が敵わなかった、ネスタが一度もボールを取れなかったなど、数多くの伝説を残す選手ですが一般に彼を知る人は多くありません。それもそのはず、世代別代表で常に中心にいた財前さんは、一度もフル代表には選手つされませんでした。

結局彼は世代別で突出し過ぎたせいで、指導者からも特別扱いを受け、彼自身「財前」と言う人間を特別だと思わせてしまいました。結果、下の動画にもある通り彼は色んな意味で「準備」を怠り、プロの厳しい世界の中で通用する体と心が育たないままトップ オブ トップに挑んでしまいました。時を遅れること数年、財前さんをもって準備の天才と言わしめた中田選手はイタリアに渡りペルージャでデビュー戦から2得点の活躍で当時世界最強のユベントスを相手に勝ち点をもぎ取る活躍を見せました。

もちろん、周りがどうあれ自分を特別視した財前さんにも非はあります。
ですが、それ以上に彼を特別視した周りの指導者さんたちには非ではなく罪に近いものがあるように思います。
第二の「財前宣之」を生まないためにも、彼の悲劇を伝えトレセンを必要以上に持ち上げる現状をどうにかしなければならないのじゃないかと個人的には考えています。

トレセンは登竜門ではなく、現段階での到達地点

トレセンに対して批判的に思われるような論調でお話しさせていただいてきましたが、僕はトレセンは素晴らしい機関でありシステムだと思っています。(協会とかに媚びてるわけじゃなくてね!笑)

現段階で地域内の同年代と比べて、自分がどれくらいの立ち位置にいるのかを確認できます。落ちた選手が正しく悔しがって目標にすることができれば、次のチャレンジまで練習に明確な目標を持って臨むことが出来るようになります。

現状、よろしくないのは親御さんが過度に期待したり(フリースタイルの先輩の指導者さん話では親同士の足の引っ張り合いなんてのもあるそう。意味がわからん)、選出されたことで天狗になる選手や特別視しすぎる大人達。

また逆に、「はなから受かる選手は決まってる」と選手達もいる前で声を大にして発するのもどうかと。
それでも突出していたら受かります。むしろ、そういった探しきれていない隠れた才能を探すためのトレセン選考会ですから。ある程度、認知度があり実力のある選手が当日少しパフォーマンスが悪かったくらいでも選出されてしまうのも、仕方がないといえば仕方がない。むしろ、パフォーマンスが悪い優良選手を押しつぶすほどの圧倒的なパフォーマンスを見せられなかった選手が悪いんです。

箔が付くのが好きなのも分かります。
僕も対してお金持ちではないのに「成功してそうに見られたい」というくだらない見栄でボッテガ・ヴェネタの11万の財布使ってます!笑

でも僕くらいのちょっとした見栄は可愛いものじゃないですか。
育成世代のサッカーに臨む選手達の未来を詰むような、指導者の見栄・親御さんの見栄はみっともなくないですか?
吹田フェノメーノはトレセン全員撃沈でした。ですが、もしいずれトレセンに受かる選手が現れても受かるに至った努力は讃えても特別扱いはしません。
パフォーマンスの悪い日が続いたり、試合前の練習に臨む態度が悪ければ平気でスタメンから外します。

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